算定基礎届 例外ケース

2020/07/12 ブログ

今回のテーマは算定基礎届の「例外パターン」について解説します。

 

 

算定基礎届とは、社会保険に加入している従業員の社会保険料を年に1回見直す(決定する)手続きです。

4月から6月に支払われた3か月の給料の平均をもとに、その年の社会保険料が決定される仕組みとなっています。

 

算定基礎届には、下図のとおり記入して年金事務所に提出します。

・4月から6月の各月の給与額を記入します。

・給与の支払日数が17日以上であることが条件です。

 

 

 

 

 

 

非常にシンプルな手続きではありますが、

いくつか例外のパターンがありますので、

今回はそんな例外のパターンに絞ってお伝えいたします。

 


 

 

この記事でお伝えすること

 

 

・4月から6月に休業月があるケース

・算定月に中途入社したケース

・以前の給与を4月から6月のいずれかに上乗せして給与を支払うケース

・4月から6月のいずれかの給与の一部を7月以降に支払うケース

・17日未満の月があるケースとは?

・各月17日未満でも15日以上あるケース

・11日以上でも算定するケース

 


 

 

4月から6月に休業月があるケース

 

 

いきなり本題にいきます。今回一番問合せの多かったケースです。

新型コロナウィルスの影響で、この例外に該当する企業が多いでしょう。

 

年金事務所のHPには、いろいろとパターンが出ており複雑に見えますが

ルールはいたってシンプルです。

 

 

「7月1日の時点で、休業が終わっているか、続いているか」

まずどちらに該当するかにより算定方法が異なります。

 

 

「7月1日時点で休業が終わっている場合」

 

この場合、算定方法は2パターンあります。

 

・4月から6月で休業手当が一部でも支払われている月を除いて計算する。

・4月から6月すべての月で一部でも休業手当が支払われていれば、従前の(今までの)標準報酬月額で決定。

 

 

 

 

(算定基礎届の記載上の注意点)

備考 9その他に〇をつけて、

休業手当の支払い月と「●月●日一時帰休解消」と記入します。

 

 

ちなみに休業手当の割合を100%にしている場合は、

休業手当の支払であっても通常の給与を支払っていることと変わりはないので、原則通りの算定方法となります。

 

 

 

「7月1日の時点で、休業が終わっていない」

 

・休業手当が一部でも支払われた月も含めて計算する。

 

 

(算定基礎届の記載上の注意点)

備考 9その他に〇をつけて、

休業手当の支払い月と休業実施期間を記入します。

 

 

(全部休業の支払基礎日数の考え方)

休業していれば、17日以上出勤していないので、算定月に含めないのでは?と疑問に思うかもしれません。

しかし休業手当の計算のもととなる支払日数が17日以上であれば含めることとなります。

仮に月給制の方で、その月全部休業していたとしても「月給の60%を支給」した場合は、その月の支払日数は31日(30日)となります。

 

 

休業月がある場合のまとめ

 

・ポイントは7月1日現在で休業か否か

・計算パターンは休業月を含むか含まないかだけ

・ルールはシンプル。

 


 

 

算定月に中途入社したケース

 

 

・中途入社した月で1か月分の給与を受けなかった場合は、その月を除いて計算する。

 

・中途入社しても1か月分の給与を受けている場合は、その月も含めて計算する。

 

 

中途入社で支払基礎日数が17日以上あったとしても、その月を除いて計算します。

間違いやすい点なのでご注意ください。

 


 

 

以前の給与を4月から6月のいずれかに上乗せして給与を支払うケース

 

 

・上乗せ分を除いて計算する。

 

純粋にその月の労働分の賃金のみで計算するということですね。

 

例えば3月昇給分を4月に上乗せして支払った場合

 

3月の昇給分の20,000円を除外して計算します。

 


 

4月から6月のいずれかの給与の一部を7月以降に支払うケース

 

・満額支給されていない月を除いて計算する

 

例えば、6月支給の給与の一部を7月に支給する場合

6月支給の給与を除いて計算します。

 


 

 

17日未満の月があるケース

 

 

算定基礎届は4月から6月に支払われた給与をもとに計算しますが、

支払基礎日数が17日未満の月は除いて計算することとなっています。

 

支払基礎日数とは、給与支払のもととなる日数で、月給制の方であれば暦日

日給制や時給制の方であれば、「出勤日数+有給日数」と考えてもらって構いません。

 

したがって、月給制の方が欠勤等で給与が満額支払われないときは、

暦日ではなく、その給与の支払いの基礎となった日数を記入することとなります。

 

 

 

 


 

 

各月17日未満でも15日以上あるケース

 

 

「各月17日未満でも15日以上あれば算定」するルールがあります。

 

このあたりからよくわからなくなりますよね。

17日未満は除くというルールがあるにもかかわらず、

15日以上で算定するとはどういうことでしょう。

 

このルールも条件付きです。

短時間労働者であること。

パートでもアルバイトでも契約社員でも、とにかく正社員と比較して労働時間が短い方であること

 

・4月から6月に支払がいずれも、17日未満であること

・4月から6月に支払で15日以上17日未満の月があること

 

この3つの条件を満たした場合のみ、15日以上17日未満の月の平均で算定します。

 

つまり17日以上月が1か月でもあれば、17日以上の月で算定。

4月から6月の支払のいずれも15日未満であれば、従前の(今までの)標準報酬月額で決定となります。

 

 

 

少しややこしいですが、まとめます。

 

・短時間労働者であること

 

・4月から6月の支払で17日以上の月がある → 17日以上の月のみで算定

 

・4月から6月の支払で17日以上はないが15日以上の月がある → 15日以上の月で算定

 

・4月から6月の支払で15日以上の月はない → 従前の(今までの)標準報酬月額決定

 

まとめてみると、わかりやすいですね。

 


 

 

11日以上でも算定するケース

 

実は支払日数が11日以上でも算定するパターンがあります。

もうここまでくると何なんだと思う方もいるかと思います。

17日以上 15日以上、今度は11日以上です。

このあたりが「算定基礎届がわかりにくい」と思われている原因かもしれませんね。

 

さて、

この11日以上の条件の話をする前に、説明しておくことがあります。

 

平成28年10月に、今まで社会保険の対象とならない短時間労働者の方でも下記条件を満たせば、

社会保険に加入することができるようになりました。

※2020年7月現在では大企業と、適用を申し出た企業のみとなっています。

 

・週の所定労働時間が20時間以上あること

・雇用期間が1年以上見込まれること

・賃金の月額が8.8万円以上であること

・学生でないこと

 

この条件に該当する方を通常の短時間労働者と分けて「特定適用事業所に勤務する短時間労働者」と呼びましょう。

 

基礎日数を11日以上で算定するケースの対象者は

この「特定適用事業所に勤務する短時間労働者」です。

 

 

特定適用事業所に勤務する短時間労働者は、上記条件を満たせば社会保険加入となるので、

当然出勤日数が少なくても社会保険に加入することができます。

したがって、この方たちにおいては支払基礎日数11日以上で算定するというルールが設けられているのです。

 

 


 

いかがでしたでしょうか?

今回は、算定基礎届でよくあるご質問を例外事ケースとして取り上げてみました。

 

算定基礎届は毎年7月10日までに手続きする必要があります。

漏れのないようご確認ください。