【採用トラブル防止】選考時・採用時の提出書類

2020/08/31 ブログ

「採用してみたが、こんな人とは思わなかった!」「経歴と実務の差がありすぎる」

「採用まもなく休職、退職してしまった」

 

なぜ、このような採用間もない従業員のトラブルが起こるのでしょう

 

企業が採用選考時・採用時に注意する点はいくつもあります。

その注意点を押さえておかないと、このようなトラブルが起きてしまいます。

採用時のトラブルは企業、労働者双方にとって不幸なものです。

少しでもこのような採用トラブルが起こらないよう、企業が押さえておくべき採用選考・採用時のポイントを確認しておきましょう。

 

今回は「採用トラブル防止のために提出してもらう書類」について確認していきます。

 


 

 

この記事でお伝えすること

 

・採用選考の前に

・採用選考時に提出してもらう書類

・採用選考時の注意点

・採用時に提出してもらう書類

 

 


 

 

採用選考の前に

 

 

皆さんの会社では「面談時に応募者に確認すること」はあらかじめ決まっているでしょうか?

 

と言うのも、採用トラブルの多い企業は採用選考時に確認する内容を特に決めていないケースが多いからです。

 

採用した理由を聞くと、「なんとなく良さそうだったから」と、社長や採用担当者の感覚で決めていることも少なくありません。

 

感覚というのももちろん大事ではありますが、

担当者の感覚レベルだけに頼りすぎてしまうのも問題です。

したがって、企業として統一した「応募者に確認する内容」も作成しておくことをおススメします。

 

 

〇作成ポイント

 

面談時に応募者に確認する内容を作成するときのポイントは、

 

・どのような人物を採用したいか 人物像をイメージする

 

ことです。

 

具体的なやり方は

 

・社内の優秀な人物の良い面

・企業が仕事に取り組む上で大切にしている要素

・応募職種に必要な要素

 

などを挙げてみて、その要素が確認できる質問事項を考えてみます。

 

 

例えば、

・コミュニケーション能力の高い方を求める場合は、世間話から始めて、上手に会話のキャッチボールができるか

・思いやりや感謝の気持ちを持てる方を求める場合は、「感謝していることや人」について質問してすぐに回答できるか

・仕事に正確性を求める場合は、仕事を進める上で大切にしていることを5つ挙げてもらい「正確性」に近い回答があるか

 

このように「確認すること」、「質問すること」を考えていきます。

 

この話をすると、多くの経営者、採用担当者から「うちの会社にそんな理想の人物なんて応募してこない」と言われます。

 

確かに理想の人物を採用できれば良いのですが、なかなかそうはうまくいかないものです。

なので、これはあくまでも採用選考時の確認事項、質問事項を作るためのワークとお考えください。

 

理想の人物を採用できないまでも、

採用後、「理想の人物になる要素の高い方を採用するため」にその人物像を明確にしておくことが大事です。

のちの従業員教育につながります。

 

また、

このワークは経営者や採用担当者だけで行うのではなく、現場で働く一般従業員も含めた採用チームを作り、現場の意見を取り入れながら作ると採用ミスマッチが少なくなるかと思います。

 

<ポイント1>

・採用選考時の確認事項・質問事項を作る

 


 

 

採用選考時に提出してもらう書類

 

 

採用選考時に提出してもらう書類を決めます。

面談時に持参してもらうのか?あらかじめ郵送してもらうのか?

 

一般的には

・履歴書

・中途採用の場合は職務経歴書

などかと思います。

 

このほかに

 

・健康診断書、病歴申告書の提出

 

をオススメします。

 

「採用選考時に健康診断書の提出を求めることができるのか?」というご質問頂くことがありますが、企業には採用の自由が認められているので、原則可能と考えております。

 

労働者は企業において労務を提供する義務を負います。

その労務の提供において心身ともに健康な労働者の労務提供でなければ、義務を果たすことができません。

応募者の採用を判断するためには判断材料が必要です。

したがって、心身ともに健康であるかどうかの確認のため、健康診断書の提出は可能であると考えられます。

 

ただし下記の点に注意する必要があります。

厚生労働省より発行されている「公正な採用選考をめざして」において

 

採用選考時における「健康診断」は、

 

・その必要性を慎重に検討し、それが応募者の適正と能力を判断する上で合理的かつ客観的に必要である場合を除いて実施しないこと

・真に必要な場合であっても、応募者に対して検査内容とその必要制についてあらかじめ十分な説明を行った上で実施すること

 

とされております。

 

つまり

 

・適性や能力判断に必要のない項目の検査(肝炎ウィルス検査や血液検査)は避けること

・応募者に健康診断書を提出してもらう理由を十分に説明すること

 

これらを行った上で、健康診断書を提出してもらう必要があります。

 

 

次に病歴申告書ですが、

こちらも健康診断書と同様の理由で提出してもらいます。

 

健康診断書だけでは判断できない精神疾患や既往症について把握しておいた方が良いでしょう。

 

「把握して採用」するのと、「知らずに採用してその後発覚」するのとでは大きな違いです。

採用後に発覚したからと言って、辞めさせることは難しいでしょう。

そのために、あらかじめ病歴申告書を提出してもらい、採用前に把握しておくことがトラブル防止のポイントです。

 

ただし病歴は個人情報にあたりますので、その収集については、

利用目的を明確にして、情報が漏れることのないよう注意する必要があります。

 

採用選考時に提出してもらう書類が決まりましたら就業規則に記載しておきましょう。

 

<就業規則規定例>

第〇条(採用選考のための提出書類)

会社は、入社を希望する者に対し、書類審査に必要な次の書類の提出を求めるものとする。ただし会社が認めるときはその一部を省略することができる。

①履歴書

②職務経歴書

③健康診断書(提出日前3か月以内に受診したものに限る。)

④病歴申告書

・・・・

 

また採用選考に提出してもらった書類に虚偽が発覚した場合には、採用を取り消す内容をルール化しておきましょう。

 

第〇条(内定取消事由)

・・・・

・・・・

書類審査時の提出書類に偽りの記載をし、又は面接時において事実と異なる経歴等を告知していたことが判明し、会社との信頼関係を維持することが困難になったとき。

・・・・

 

以上、自社の就業規則の内容を確認してみてください。

 

 

<ポイント2>

採用選考時に健康診断書、病歴申告書の提出をしてもらう

 

 


 

 

採用選考時の注意点

 

作成した採用選考時の確認事項や質問事項をベースに面談をおこなっていくことになりますが、

下記内容の質問は禁止されておりますのでご注意ください。

 

●本人に責任のない事項の把握

①「 本籍・出生地」に関すること

②「 家族」に関すること(職業・続柄・健康・病歴・地位・学歴・収入・資産など)

③「 住宅状況」に関すること(間取り・部屋数・住宅の種類・近隣の施設など)

④「 生活環境・家庭環境など」に関すること

 

●本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握

⑤「 宗教」に関すること

⑥「 支持政党」に関すること

⑦「 人生観・生活信条など」に関すること

⑧「 尊敬する人物」に関すること

⑨「 思想」に関すること

⑩「 労働組合(加入状況や活動歴など)」、「学生運動などの社会運動」に関すること

⑪「 購読新聞・雑誌・愛読書など」に関すること

 

「ミスマッチ防止を目的するため」といっても、これらの質問をすることはできません。

質問項目にこれらの内容が含まれていないか確認してください。

 


 

 

採用時に提出してもらう書類

 

企業は、採用決定者と労働契約を結ぶにあたり、

誓約書や身元保証書、労務管理をする上で必要な情報を得るための各種書類を提出してもらう必要があります。

 

 

<誓約書を提出してもらう理由>

誓約書を提出してもらう大きな理由は、就業規則に定める労働条件や服務規律を守って働くことの同意を得るためです。

労働者は「労務を提供する義務」を負うわけですが、ルールを守って労務を提供することが大前提です。

 

誓約書の内容は

 

・服務規律を守って誠実に勤務すること

・企業の秘密情報を漏えいさせないこと

・故意過失により損害を与えた場合の損害賠償について

・労働者から取得する個人情報を第三者に提供することの同意

 

などを含めた内容が一般的です。

 

誓約書は

就業規則の内容を守って働くことを約束するわけですから、できる限り、就業規則の内容を説明した上で、取得することオススメしています。

 

 

<身元保証書を提出してもらう理由>

 

身元保証は金銭賠償を目的とするイメージかと思いますが、

それだけでなく

「心身ともに健康で、従業員として適格性を有する」ことを保証する人物保証を目的とする側面もあります。

「この人なら大丈夫ですよ」というお墨付きをもらうイメージでしょうか。

また身元保証書には、万が一入社後に精神的、身体的に問題が起きた場合、問題解決に向けて身元保証人の方に全面的に協力をしてもらう内容を入れておくと良いでしょう。

入社後間もないトラブルに対応するためのポイントです。

 

 

 

また、

採用時に提出してもらう書類は、原則入社日までに提出してもらうルールにしておくことをおススメします。

たまに就業規則を見ると、1週間以内、10日以内に提出という内容を見ますが、

誓約書をもらわずに働いてもらうことの危険性は、その目的を考えればわかるかと思います。

わざと誓約書や身元保証書を提出せずに働き続け、退職時にトラブルになったケースがあります。

入社後から〇日以内に提出とすると、取得漏れも起こりますので原則は入社日までに取得するようにしておきましょう。

 

<就業規則規定例>

第〇条    (採用決定時の提出書類)

新たに従業員となった者は、採用時の誓約書に署名し、これを会社に提出してからでなければその職務を行ってはならない。

2 従業員として採用された者は、入社日までに次の書類を提出しなければならない。ただし、会社が認めた場合は、提出期限を延長し、又は提出書類の一部を省略することができる。

①誓約書

②身元保証書

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

<ポイント3>

・採用時は誓約書と身元保証書を提出してもらう

・身元保証書は金銭賠償だけでなく、人物保証も明記した内容とする

・誓約書、身元保証書を提出してもらう前に働かせることは避ける

 


 

 

いかがでしたでしょうか

採用選考時、採用時のトラブルを防止するための第1歩は、書式の整備です。

「言った・言わない」のトラブルにならないよう、十分に説明をしたうえで書面で残しておくことをオススメします。