健康保険の被扶養者要件について確認してみましょう

2020/10/09 ブログ

協会けんぽに加入の事業所宛に、毎年1回「被扶養者状況リスト」が送られてきます。

 

これは、健康保険の被扶養者になっている方が、今もその状況にあるかを確認するために実施しているものです。

この時期になると、健康保険の被扶養者要件について問い合わせがあるので、

今回はこちらのテーマについて取り上げてみたいと思います。

 


 

健康保険の被扶養者要件

 

健康保険の被扶養者に認定されるためには、大きく2つの要件があります。

 

・日本国内に住んでいること

 

・被保険者により生計を維持されていること

 

それでは、これらの要件を細かくみていきましょう。

 


 

日本国内に住んでいること

 

日本国内に住所(住民票)を有していることです。

以前は、海外に居住している方でも健康保険の被扶養者に入ることができましたが、

令和2年4月1日より、国内居住要件が追加され、原則として日本国内に住んでいることが条件となります。

 

ただし海外に居住していても、

・外国に留学する学生

・外国に赴任する被保険者に同行する者

・観光、保養、ボランティア活動、就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者

などは特例により被扶養者になることが可能です。

 

 

また日本国内に住んでいても

日本国籍を有しておらず、「特定活動(医療目的)」「特定活動(長期観光)」で滞在する方は、被扶養者になることはできません。

 


 

 

被保険者より生計を維持されていること

 

簡単に言えば、「被保険者の収入で生活していること」です。

 

「被保険者の収入で生活しているか」の判断は、被扶養者になる方の「収入」「被保険者との続柄」、「続柄によっては同居か否か」で判断することになります。

 

 

「収入要件」

 

・年収130万円未満

(60歳以上または障害者の場合は、年収180万円未満)

 

かつ

 

・収入が被保険者の収入の半分未満

・別居の場合は、収入が被保険者からの仕送り額未満

 

 


 

年収130万円未満

 

まずは年収130万円未満

(60歳以上または障害者の場合は、年収180万円未満)について確認していきましょう。

 

ここでいう年収とは、過去の収入ではなく、被扶養者に該当する時点、被扶養者に認定された日以降の見込年収で判断することになります。ここが税法上の扶養と異なります。

 

税法上の扶養は結果で判断、健康保険法上の扶養は見込で判断と覚えておきましょう。

 

 

見込の判断ですが、

給与の収入があれば、月額108,333円以下である必要があります。

単純に130万円を1年の12か月で割った金額となります。

 

また収入は給与だけでなく、

雇用保険の失業給付、老齢・障害・遺族年金などの公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます。

 

退職されて、収入がなくなったとしても、

失業手当の日額が3,612円以上であれば被扶養者となることはできません。

※(130万円÷360日)1年を360日として計算します。

 


 

被保険者収入の半分未満

被保険者からの仕送り額未満

 

 

次にもう一つの要件である

「収入が被保険者の収入の半分未満」

「別居の場合は、収入が被保険者からの仕送り額未満」について確認していきましょう。

 

収入が被保険者の収入の半分未満とは、

例えば、

被保険者の収入300万円

被扶養者の収入120万円

であれば、要件を満たします。

 

しかし

 

被保険者の収入200万円

被扶養者の収入120万円

だと、「130万円未満」の要件は満たしますが、

「被保険者の収入の半分未満」は満たさないので、被扶養者となることはできません。

 

ただし、

被扶養者の収入が被保険者の収入の半分以上の場合であっても、被保険者の年収を上回らないときで、日本年金機構がその世帯の生計の状況を総合的に勘案して、被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認めるときは被扶養者となることがあります。

 

別居の場合は、仕送り額についての条件が「被扶養者の収入が被保険者からの仕送り額未満」ということなので、

例えば

被扶養者の年収が160万円(60歳以上)の場合、被保険者からの仕送り額は年間160万円以上である必要があります。

 


 

被扶養者となれる者

 

健康保険の被扶養者となれる者の続柄は下記のとおりです。

 

・配偶者

・子、孫および兄弟姉妹

・父母、祖父母などの直系尊属

 

また次の者は同居が条件となります。

・3親等内の親族

・内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)

 

3親等内の親族は、伯叔父母、甥姪とその配偶者などです。

ちなみに「いとこ」は入りません。

 


 

被扶養者から外れる者

 

 

次に該当した場合は、被扶養者から外れることになります。

 

・後期高齢者医療制度の被保険者になったとき(75歳以上になったとき)

 

・被扶養者の年間収入が130万円以上(60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円以上)見込まれるとき

 

・同居の場合、被扶養者の収入が被保険者の収入の半分以上になったとき 別居の場合、被扶養者の収入が被保険者の仕送り額を超えたとき

 

・健康保険、船員保険の被保険者または共済組合、国保組合等の組合員になったとき

 

・婚姻等により他の被保険者に扶養されるようになったとき、または離婚したとき

 

・離縁、死亡または同居が要件の者が別居したとき

 

・日本国内に住所を有しなくなったとき(海外特例要件※に非該当となったとき)

 


 

今回は健康保険に被扶養者の要件について確認してみました。

被扶養者の手続きをする際に、要件に該当するか否か、いま一度ご確認ください。