同一労働同一賃金 具体的になにをする?

2021/01/14 ブログ

2020年4月1日より大企業と派遣事業でスタートした同一労働同一賃金ですが、

いよいよ中小企業でも2021年4月1日よりスタートします。

具体的に何を進めればよいのか?というご相談も増えております。

そこで今回は同一労働同一賃金対応として企業が具体的に何をすれば良いのかという点に絞って解説したいと思います。

 

同一労働同一賃金の概要については、こちらの記事で解説しておりますのでご確認ください。

 

 

 


 

この記事でお伝えすること

 

・具体的な待遇ごとの考え方

・待遇差の説明義務

・具体的に何をやれば良い?

・進め方

 


 

具体的な待遇ごとの考え方

 

待遇差の見直しは大きく3つに分類されます。

正社員と非正規労働者との間で

 

1.原則として同じ支給、付与が求められるもの

2.職務内容等の条件が同じ場合には、同じ支給、付与が求められるもの

3.職務内容等の条件が同じ場合には、同じ支給、付与が求められ、違いがあれば違いに応じた支給、付与が求められるもの

 

この3つです。

 

ガイドラインにおいてそれぞれ具体的な手当や制度が挙げられておりますので、確認していきましょう。

 

1.原則として同じ支給、付与が求められる代表的なもの

 

例えば

・残業手当や休日手当、深夜手当

 

・通勤手当、出張手当

 

・食事手当

 

・福利厚生施設(休憩室・更衣室)

 

・慶弔休暇

 

・安全管理 

など該当する可能性が高いです。

 

 

2.職務内容等の条件が同じ場合には、同じ支給、付与が求められるもの

 

例えば

・特殊作業手当

特殊業務手当とは、他の業務に比べて危険度の高い業務や、特殊な技術手当や経験が求められる業務などに応じて支給されるような手当をイメージして頂ければ良いかと思います。

 

・特殊勤務手当

特殊勤務手当とは、早朝、夜間、年末年始勤務など通常と異なる勤務時間や勤務日に出勤した場合に支給されるような手当をイメージして頂ければ良いかと思います。

 

・単身赴任手当

 

・地域手当

地域により物価水準が高く、生活費の負担が多くなるようなこともあるかと思います。その負担増を補てんするために支給されるような手当をイメージして頂ければ良いかと思います。

 

・精皆勤手当

 

・転勤者用社宅

 

・教育訓練

など該当する可能性が高いです。

 

 

3.職務内容等の条件が同じ場合には、同じ支給、付与が求められ、違いがあれば違いに応じた支給、付与が求められるもの

 

例えば

・基本給

 

・昇給

 

・賞与

 

・役職手当

 

・法定外年休、法定外休暇

年次有給休暇とは別に会社独自の有給休暇制度や特別休暇などをイメージして頂ければ良いかと思います。

 

・病気休職

など該当する可能性が高いです。

 

自社で似たような手当や制度あれば、

正社員だけ適用されているものか否か

 

正社員だけ適用されているのであれば

待遇差に問題がないか

確認してみましょう。

 

 


 

待遇差の説明義務

 

非正規労働者を雇用したときや、非正規労働者から説明の求めがあったときには、待遇差について説明する義務があります。

そのために説明文書を作成しておく必要があります。

 


 

具体的に何をやれば良い?

 

まずは、「職務の内容」と「人材活用の仕組み」にどのような違いがあるのか整理しましょう。

 

①比較対象となる正社員を選びます。職務内容等が最も近い正社員を比較対象とします。

 

正社員の選び方の基本的な考え方は次の順でチェックします。

 

1.職務の内容、人材活用の仕組みが同じ正社員 

→いない場合は2

 

2.職務の内容は同じだが、人材活用の仕組みは異なる正社員 

→いない場合は3

 

3.職務の内容のうち、業務の内容または責任の程度のいずれかが同一の正社員

→いない場合は4

 

4. 業務の内容または責任の程度いずれも異なるが人材活用の仕組みが同じ正社員

→いない場合は5

 

5.職務の内容が最も近い正社員

 

対象となる非正規労働者と最も近い正社員を選んで比較することになります。

 

 

職務の内容、人材活用の仕組みとは

こちらの記事に詳しく解説しております。

同一労働同一賃金の概要を解説します

 

 

②説明する待遇差の内容と理由を整理します。

 

待遇項目ごとに待遇差がある理由をまとめましょう。

 

待遇項目

説明理由

基本給

正社員は非正規労働者と比較して業務の範囲や複雑性、管理する部下の有無・人数・決裁権の範囲が広いこと、ノルマ等の成果に対する期待がより求められること、トラブル発生時や臨時・緊急時はより柔軟な対応が求められていること、幅広い人事異動や転勤が予定されていることなど、業務の内容や責任の程度、配置変更の範囲が異なることから、基本給水準に一定の差が設けらています。

賞与

正社員は仕事の目標を設定しそれに対する達成度を評価されており、支給に当たっては人事評価を考慮しているほか、定年まで長期雇用を前提として人材の獲得と定着を図るため、長年の勤務に対する功労報奨や将来の労働に対する意欲向上を図る目的で賞与を支給しています。一方非正規労働者の業務は簡易な提携業務が中心であり、その職務内容に応じて一律定額の支給となっています。

住宅手当

正社員は長期雇用を前提とし、非正規労働者と比較して配置転換の幅が広く、転居を伴う異動を命じることがあるため、その費用を補てんすることを目的として正社員のみを支給対象としています。

※同一労働同一賃金ガイドラインより

 

厚労省の様式を使って説明できるよう作成しておくと良いでしょう。

 

厚労省の様式はこちらよりダウンロードできます。

説明書はこちら

 

 


 

進め方

 

1.雇用形態区分の整理しましょう

正社員、パートタイマー、契約社員、嘱託社員など

自社で雇用している従業員の区分を整理します。

 

2.同一労働同一賃金の対象となる待遇を洗い出しましょう

具体的な待遇ごとの考え方で列挙した手当等、自社の賃金制度やその他の制度を洗い出します。

(基本給、手当、賞与、退職金、休暇、福利厚生、教育訓練等など)

 

3.雇用形態による待遇差の確認をしましょう

支給の有無、金額、支給要件、決定基準、計算方法など

正社員と非正規労働者の違いを確認します。

 

4.待遇差の根拠を確認した上で、待遇差の妥当性について検討しましょう

自社の人事関連資料、関係者へのヒアリング、自社の職務評価等を確認し、待遇差について妥当であるか検討します。

 

5.待遇差が妥当ではない場合の対応策を検討しましょう。また不合理な待遇差がある場合は是正しましょう

 

6.見直しをしたら就業規則の改定、説明文書の作成しましょう

 

 

1から3までは自社内で比較的すぐに対応可能かと思います。

4の「待遇差が妥当であるかの判断」が非常に難しいかと思います。

ここは専門家を交えて検討することをオススメしますが、

個別における対応ポイントについてはガイドラインにも示されておりますので、次回は個々のポイントについて確認したいと思います。