育児休業中に働いたら・・・

2021/02/05 ブログ

今回は育児休業期間中に働いた場合の、育児休業給付金の支給について確認したいと思います。

 

 

育児休業給付金を受けている従業員が、育児休業期間中に働いても育児休業とみなされるのでしょうか?

また給付金は受けることはできるのでしょうか

 

 

結論から申し上げると、

条件を満たせば、働くことも可能ですし、給付金を受けることも可能です。

 

 

では、条件を確認していきましょう。

 


 

育児休業給付金について、支給単位期間中に働いた場合は申告が必要です。

 

 

支給単位期間とは、育児休業を開始した日から起算した1か月ごとの期間をいいます。

 

例えば、12月21日から育児休業を開始した場合は、支給単位期間は毎月21日から翌月20日までとなります。

 

この支給単位期間に働いた日数(時間)については、支給申請書にて申告する必要があります。

 


 

支給単位期間中に働いた日が10日を超えて、かつ働いた時間が80時間を超えると育児休業給付金は支給されません。

 

 

カウントする期間は支給単位期間であり会社の賃金計算期間ではないことがポイントです。

 

 

例えば、

会社の賃金計算期間が末日締め

支給単位期間が21日から翌月20日だとした場合。

 

仮に1日から末日まで10日を超えて(月80時間超えて)働いていたとしても、21日から翌月20日の期間で、10日以下であればOKです。

逆に、1日から末日まで10日以下であっても、21日から翌月20日の間で、10日超えて(月80時間超えて)働いた場合は、給付金は不支給となります。

 

賃金計算期間ではなく、支給単位期間であることに注意してください。

 


 

10日以下であっても、恒常的・定期的に働く場合は、育児休業とはみなされず、育児休業給付金を受け取ることはできません。

 

 

育児・介護休業法上の育児休業は、子どもの養育を行うために休業できる制度なので、休業期間中に働くことは想定されていないんですね。

 

しかし、労使の話し合いにより、子どもの養育をする必要がない期間に限っては、一時的・臨時的に働くことは認められています。

 

その条件が、就労が月10日(10日を超える場合は80時間)以下ということになります。

 

一方で、恒常的・定期的に働く場合は、育児休業をしていることにはなりませんので注意が必要です。

 

 

一時的・臨時的に働くとは次のようなケースです。

 

<ケース1>

育児休業開始当初、従業員Aさんは育児休業期間中に出勤することを予定していなかったが、自社製品の需要が予期せず増大。一定の習熟が必要な作業の業務量が急激に増えたため、スキル習得のための数日間の研修を行う講師業務を依頼し、Aさんが合意した場合

 

 

<ケース2>

従業員Bさんの育児休業期間中に、限られた少数の社員にしか情報が共有されていない機密性の高い内容に関わるトラブルが発生した。その内容の詳細や経緯を知っているBさんに、一時的なトラブル対応を会社が依頼し、Bさんが合意した場合

 

 

<ケース3>

従業員Cさんは育児休業の開始当初は全日を休業していたが、一定期間の療養が必要な感染症がまん延したことにより従業員の大幅な欠員状態が短期的に発生した。

Cさんが得意とする業務を遂行できる者がいなくなったため、テレワークによる一時的な就労を会社が依頼し、Cさんが合意した場合

 

 

 

一方、恒常的・定期的に働くとは次のようなケースです。

 

 

従業員Dさんが育児休業開始当初より、あらかじめ決められた1日8時間で月10日間勤務する場合や、毎週特定の曜日または時間に勤務する場合

 

 

このように10日以下という日数や時間だけ判断するのではなく、一時的、臨時的に働くことが条件となります。

 


 

 

育児休業期間中に給与が支払われた場合は、育児休業給付金が減額支給される場合もあります。

 

 

働いた日が10日以下で給付金が支給されるとしても、給与額が支払われた場合は、その金額によっては給付金が減額されます。

 

育児休業給付金の支給額は次の計算式で算出されます。

休業開始時賃金日額×支給日数×67%(50%)

 

「休業開始時賃金日額とは、育児休業開始前6か月間の賃金を180で割った額です。

つまり1日あたりの賃金ですね。

 

「支給日数」とは、原則30日で計算します。

賃金日額×30日=賃金月額となります。

 

育児休業の開始から6か月までは67%、6か月経過後は、50%で計算します。

 

 

 

支給単位期間に給与が支払われた場合は、次の計算により給付金を判定します。

 

●給与が賃金月額の13%(30%)を超えて80%未満の場合

「賃金月額×80%」と給与の差額が支給額となります。つまり減額されます。

 

 

●給与が賃金月額の80%以上場合

給付金が支給されません。

 

 

給与が賃金月額の13%以下の場合、給付金は減額されずに全額支給となります。

育児休業給付金の給付率が50%の場合は、13%ではなく、30%で計算します。

 

 

事例で確認してみましょう。

賃金月額が20万円の場合。

 

①支給単位期間中に給与が支払われていない場合

⇒原則通りの計算で、賃金月額20万円×67%=134,000円です。

 

②支給単位期間中に賃金6万円が支払われた場合

⇒賃金が[賃金月額×30%]支払われているので、

賃金月額20万円×80%-6万円=10万円です。

 

③支給単位期間中に賃金16万円が支払われた場合

⇒賃金が[賃金月額×80%]支払われているので、支給されません。

 


 

まとめ

 

・育児休業給付金について、支給単位期間中に働いた場合は申告が必要。

 

・支給単位期間中に働いた日が10日を超えて、かつ働いた時間が80時間を超えると育児休業給付金は支給されない。

 

・働いた日数が10日以下であっても、恒常的・定期的に働く場合は、育児休業とはみなされず、育児休業給付金を受け取ることはできない。

 

・育児休業期間中に働いて給与が支払われた場合は、育児休業給付金が減額支給される場合もある。

 

 

育児休業中に働く場合は、以上の内容に注意してみてくださいね。