働きやすい職場認証制度 申請サポートしてみてわかった注意点

2021/05/20 ブログ

※今回の記事は運送事業者様向けとなります。

 

 

2020年度の自動車運送事業者の「働きやすい職場認証制度」の申請サポートをさせて頂きました。

申請サポートさせて頂いた企業様の合格通知と登録証書が届いたようです。

 

そこで今回は、申請サポートをしてみてわかった注意すべきポイントについてお伝えしたいと思います。

 

2021年度申請予定の事業者様に少しでも参考になれば幸いです。

 

 

働きやすい職場認証制度って何?という方はこちらをご確認ください。

 

https://www.untenshashokuba.jp/

 

 


 

提出書類について

 

まず申請に必要な提出書類は、

就業規則、36協定、労働条件通知書、安全衛生委員会の構成員一覧、議事録、健康診断結果報告書、改善報告書となります。

 

届出が必要な書類については、労働基準監督署の受付印が押印されているコピーが必要となります。

 

このなかで、届出が義務づけられている書類は、

 

・就業規則(従業員10人以上)

・36協定

・健康診断結果報告書(従業員50人以上)

 

となります。

 

 

※1 50人未満の営業所の場合、労働安全衛生規則第23条に基づき、従業員の意見を聴くための機会を設けたことが確認できる書類。

 

※2 個人の健康診断結果ではなく、労働基準監督署に届け出た健康診断結果報告書

 

※3 行政処分の違反数1点以上を受けた事業者のみ対象

 

 

10人未満の企業は就業規則の届出義務はないので労基署の受付印は不要です。

36協定は毎年届出るものですが、申請直前に有効期限切れで届出が漏れてしまっているケースもありますので注意が必要です。

 

またこれらの書類は原則事業所単位での届出となりますので、申請前に各事業所で確認しておきましょう。

 

 

各書類における注意点

 

①就業規則

・運転者対象の就業規則であること

年5日の有給取得義務化が反映されていること

・労働基準監督署への届出が変更届のみの場合は、受付印のある変更届と変更点が反映された最新の就業規則を提出すること

 

②36協定

・運転者が適用される36協定であること

・有効期限内の協定であること

 

③労働条件通知書

・運転者を対象とした労働条件通知書であること

・法令で明示が義務付けられた項目の記載があること

 

④安全衛生委員会等関連書類

乗務員教育、研修や指導のみの機会及び業務打合せ等を内容とする場合は該当しない

・月1回以上開催していること

・50人未満の事業所は月1回程度設けることを推奨

 

⑤健康診断結果報告書

・様式第6号の写しを提出すること

・直近1回分の結果報告書であること

 


 

認証項目について

 

認証項目は、法令順守等、労働時間、心身の健康、安心安定、多様な人材の確保・育成、自主性・先進性等の6分野に分類されます。

 

 

申請する上で必須項目は各種法令の遵守が求められます。

したがって認証を受けるためには法令を遵守していることは当然ではありますが、

事業所として法令を遵守しているつもりが、知らない間に違反となってしまっているケースもあります。

 

知らない間に違反となってしまっているケースの多くが、「最低賃金」「割増賃金」です。

 

この2つとも認証項目の必須項目に該当しますので、

認証のためには確実にクリアしておかなければなりません。

 

私がサポートした際に、特に注意した点をお伝えします。

 

 

〇最低賃金で確認しておくこと

 

・最低賃金の対象とならない賃金を含めて確認していないか?

 

最低賃金額以上支給されているか確認する上で、最低賃金の対象となる賃金を理解しておく必要があります。

家族手当、通勤手当、皆勤手当、臨時に支払われる賃金、1か月を超えて支払われる賃金は除外して計算することになります。

これらの手当を除外しても、最低賃金額以上支給されているか確認しておきましょう。

 

 

・手当が不支給のときも想定して賃金設計されているか?
 

運送事業者の賃金体系は無事故手当を導入している企業も少なくありません。

例えば、従業員が事故を起こしてしまい、一定の期間無事故手当が支給されなかったときに、最低賃金割れしまうような賃金体系を見ることもあります。

 

無事故手当は、最低賃金を計算する上で含めてよい手当ではありますが、支給されないケースも想定して賃金設計しておく必要があります。

 

 

・固定残業手当を除外して計算しているか?

 

上記手当のほかに、割増賃金も除外されます。

したがって時間外労働手当(残業手当)、深夜労働手当、休日労働手当等の割増賃金も除外して確認しましょう。

 

そして見落としがちなのが、固定残業手当です。

固定残業手当も、割増賃金を固定払いしている性質の手当になりますので除外して確認することになります。

 

 

以下、最低賃金の確認方法となります。

(1)時間給制の場合

時間給≧最低賃金額(時間額)

 

(2)日給制の場合

日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、

日給≧最低賃金額(日額)

 

(3)月給制の場合

月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

 

(4)出来高払制その他の請負制によって定められた賃金の場合

出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を、当該賃金計算期間に出来高払制その他の請負制によって労働した総労働時間数で除して時間当たりの金額に換算し、最低賃金額(時間額)と比較します。

 

(5)上記(1)、(2)、(3)、(4)の組み合わせの場合

例えば、基本給が日給制で、各手当(運転手当など)が月給制などの場合は、それぞれ上記(2)、(3)の式により時間額に換算し、それを合計したものと最低賃金額(時間額)を比較します。

 

 

 

〇割増賃金で確認しておくこと

 

・残業単価が正しく計算されているか

 

運送事業者では歩合手当を導入しているケースも少なくありません。

 

残業単価を算出する際には歩合手当も含めて計算しなければならないのですが、歩合手当を含めずに残業代を計算しているケースも見受けられます。

 

この場合、きちんと残業代を支給しているつもりが、知らない間に未払残業代が発生していることになります。

正しい計算方法を理解しておきましょう。

 

歩合手当を含めた残業単価の算出方法は下記のとおりです。

(基本給+諸手当)÷月平均所定労働時間×1.25・・・A

歩合手当÷総労働時間×0.25・・・B

A+B=残業単価

 

 

ほかにも無事故手当や皆勤手当のように毎月変動する手当を支給している場合も注意が必要です。

変動する手当は、残業単価の基礎に含めなくて良い手当と思われがちですが、

これらの手当も含めて残業単価を計算することになります。

条件により手当の額が変動することになりますので、残業単価も変動することになります。

正しい残業単価で計算されているか確認しておきましょう。

 

ちなみに残業単価の基礎となる手当から除外できる手当は

家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われる賃金、一か月を超えて支払われる賃金の7種類のみです。

 

最低賃金の除外できる手当とは異なりますのでご注意ください。

 

 

残業代の計算方法については、こちらの記事でも詳しく書いております。

 

 

 

 

 

 

・固定残業手当分を超えた残業時間分の残業は支給しているか?

 

固定残業手当に含まれる残業時間分を超えて残業した場合は、別途残業代の支払が必要です。

固定残業代を支給しているから残業代を支給しなくて良いというわけではありません。

超えた時間の残業代の支給がされているかご確認ください。

 

 

以上が最低賃金、割増賃金で特に注意したポイントです。

 


 

50人未満の企業も安全衛生懇親会を開催しましょう

 

 

今回申請する上で意外とハードルを感じたものが安全衛生委員会関連です。

というのも、50人未満の事業所でも安全衛生懇親会の開催が求められているからです。

 

従業員50人以上の企業の場合、

安全衛生委員会の構成員一覧と議事録、健康診断結果報告書が提出書類としても求められます。

 

安全衛生委員会を実施するためには、安全管理者と衛生管理者の選任が必要となります。

 

安全管理者になるためには、厚生労働大臣が定める研修や講習を受け、指定の学歴または実務経験に関する条件を満たしておく必要があります。

また衛生管理者になるためには、衛生管理者試験に合格しなければなりません。

 

もし選任していないとなると、これから試験を受けて合格してから選任することになりますので申請に間に合わないケースもあります。

50人以上の企業は、安全管理者、衛生管理者が選任され、安全衛生委員会を実施していることが必須条件になりますので、はやめに確認しておきましょう。

 

 

そして50人未満の事業所には義務づけられていない安全衛生委員会の開催ですが、

従業員50人未満の企業でも、安全衛生に関する事項について意見を聴く機会を設けていることが求められます。

したがって、従業員規模が50人未満であっても、安全衛生懇談会などの開催が必須となります。

 

根拠となる条文を確認すると、

労働安全衛生規則第23条の2に定められております。

「労働者数が50人未満の事業者など、委員会を設けるべき事業者以外の事業者は、安全又は衛生に関する事項について、関係労働者の意見を聴くための機会を設けるようにしなければならない。」

 

私の印象では、50人未満の小規模事業所で安全衛生懇親会を定期的に開催しているところは少ないのではないかと思っております。

働きやすい職場認証制度では、必須項目となりますので確実に実施し議事録を残しておきましょう。

 


 

 

認証項目はこのほかにも数多くありますが、

今回は、申請サポートしてみてわかった特に注意すべきポイントについて確認してみました。

 

2021年度の申請を予定されている企業様で、サポートが必要であればお気軽にお問合せください。