一般職向けのパワハラ防止研修をご紹介します

2022/04/22 コラム

2022年4月1日より中小企業にもパワハラ防止措置が義務付けられました。

 

詳しい内容はこちらをご確認ください。

 

 

 

この影響が大きいとは思いますが、

3月よりパワハラ防止研修のご依頼が続いております。

 

私が講師として行うパワハラ防止研修は、

管理職向けだけでなく、一般職向けにもおこなっております。

当然、管理職目線でみるパワハラと一般職目線でみるパワハラとは異なるので、

その研修内容は異なります。

 

そこで今回の記事では、一般職向けに行った内容についてご紹介したいと思います。

(管理職向けは次回の記事でご紹介します。)

 

 


 

 

この記事でお伝えすること

 

なぜ一般職にもパワハラ研修を行うのか

・一般職に行うパワハラ研修

・研修の内容のご紹介

 

 


 

なぜ一般職にもパワハラ研修を行うのか

 

 

一般職(部下)の方たちに「パワハラ」という言葉を聞いて、

何をイメージしますか?と質問をすると、

 

「叱られる」

「怒鳴られる」

「無理な業務を押し付けられる」

「残業、休日労働を命じられる」

 

といった答えが出てきます。

 

これが、今の部下の方たちがイメージしている「パワハラ」です。

 

上司が部下に対して、叱ったり、怒鳴ったりしただけで、

直ちに「パワハラ」に該当するかと言えば、そんなことはありません。

 

指導をしながらも人格を傷つけたり、執拗に叱責するような行為が「パワハラ」ですし、

国が定義する言い方で言えば、

①優越的な関係を背景とした言動であって、

②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、

③労働者の就業環境が害されるもの

この①から③までの3つの要素を全て満たすものでなければ、「パワハラ」とはなりません。

 

ではなぜ、このような認識の違いがあるのでしょうか?

それは、

一人一人が勝手なイメージで、「パワハラ」を認識してしまっているからです。

つまりパワハラの正しい知識が身についていないことが原因です。

 

正しい知識が身についていないと、上司が叱っただけで、

「それってパワハラですよね?」

といったことが起きてしまいます。

この場合、叱っただけでは「パワハラ」にはなりません。

しかし上司と部下の間でコミュニケーショントラブルには発展するでしょう。

 

そのようなコミュニケーショントラブルが起こらないために、

一般職に対しても「パワハラ研修」を実施しています。

 


 

一般職に行うパワハラ研修

 

 

研修の一番の目的は部下にも「正しい知識を身に付けてもらう」ためです。

 

管理職も部下も

「どこまでが指導で、どこからがパワハラなのか」といった共通の基準を持つことで、

「それってパワハラですよね?」という

間違った認識とコミュニケーショントラブルを防止することができます。

 

またパワハラと言えば、

上司や管理職が加害者

部下が被害者

というイメージを持たれることが多いですが、必ずしもそうではありません。

 

集団で個人を無視したりすれば、同僚同士のパワハラもありますし

部下のほうが専門知識や技術力があって、

上司を馬鹿にしたり、命令を無視する行為もパワハラに該当します。

 

つまり

「部下の立場でも加害者になることもある」ということを知ってもらうことも

一般職に研修を行う目的の一つです。

 

 

 

それでは、ここからは一般職向けの研修内容の一部をご紹介したいと思います。

前半は、「パワハラの基本的な知識を身に付けるための内容」

後半は、「パワハラの被害者とならないコミュニケーションの取り方」

について学びます。

 


 

パワハラの基本的な知識を身に付ける

 

 

・最初に受講者が思うパワハラのイメージを書き出してもらいます。

 

・パワハラの現状、法改正に至った背景、パワハラの内容について解説。

 特に「パワハラ」と「指導」の線引きについて詳しく解説。

 

・上司が部下に対して「叱る」「怒鳴る」指導の動画を視聴。

(実は「業務上指導の範囲であり、パワハラに該当しない事例の動画」を見せているが、そのことはあらかじめ伝えていない。)

 

・動画視聴後、パワハラと思われる言動を挙げてもらう

 

・パワハラと思われる言動を挙げてもらったあとに、視聴した動画は「パワハラに該当しない事例」であることを伝える。

 

・「パワハラに該当する動画」を視聴。(人格否定、役割否定、精神的に追い詰める内容)

 

・パワハラの定義やパワハラの正しい内容を説明する。

 

 

最初に受講者に書き出してもらった「パワハラ」のイメージと

「パワハラの正しい知識」を学んだあとのギャップを感じてもらうことで、

学びが深まります。

 

 


 

パワハラの被害者とならないコミュニケーションを学ぶ

 

 

全員がパワハラの基本的な知識を身に付ければ、

職場からパワハラがなくなるのかと言えば、残念ながらそんなことはありません。

パワハラに発展してしまう原因の多くはコミュニケーショントラブルだからです。

 

つまり、パワハラ予防で最も重要なことは

 

いかに

従業員個々のコミュニケーション力を上げるか

そして

組織内のコミュニケーションを円滑にするか

 

ということになります。

 

 

このコミュニケーション力は上司だけでなく、部下も身に付ける必要があります。

というのも

 

部下のコミュニケーションの取り方が悪いことが原因で、本人がパワハラの火種を作ってしまうケースがある

 

からです。

 

そのようなことにならないよう、部下として求められるコミュニケーションの取り方を学びます。

 

 

コミュニケーションの研修内容は、

 

・会話のキャッチボールとは

 

・部下が上司とコミュニケーションを取るときに気を付けること

 

・部下が身に付けるべき報告連絡相談の基本

 

・先入観にもとづくコミュニケーション

 

・価値観の違いを認めるコミュニケーション

 

このような内容でグループワークを通して、

部下の立場として求められるコミュニケーションを学んでもらいます。

 


 

最後に

 

報告連絡相談が下手な部下はパワハラの被害者となってしまう可能性もあります。

 

被害者にならないために報連相のイロハや職場でのコミュニケーションの基本を

しっかり身に付けておくことも、パワハラ予防となります。

 

研修では、

パワハラの基本的な内容だけでなく、コミュニケーションの取り方まで学べると

パワハラ予防に一定の効果があります。

 

 

研修でお困りの企業様は、是非一度お問い合わせください。

当事務所では全国対応しております。