管理職向けのパワハラ防止研修をご紹介します
2022年4月1日より中小企業にもパワハラ防止措置が義務付けられました。
詳しい内容はこちらをご確認ください。
おそらくこの影響もあり、3月だけでなく4月、5月以降も社内研修のご依頼が続いております。
前回の記事では一般職向けに行った研修内容についてご紹介しました。
こちらの記事をご覧になった人事担当者様からも研修のご依頼頂きました。
前回の記事はこちら
今回は、先日実際におこなった管理職向けの研修内容についてご紹介したいと思います。
この記事でお伝えすること
・パワハラ防止の第一歩と一番の予防策とは何か
・なぜ「パワハラの基本的な知識を身に付けること」が必要なのか
・部下とのコミュニケーションの取り方
パワハラ防止の第一歩と一番の予防策とは何か?
パワハラ防止の第一歩は「正しい知識」を身に付けることです。
これは管理職だけでなく、一般職も含めたすべての従業員が、
パワハラについて「正しい知識」を身に付けることが重要です。
全従業員が
「指導なのか?パワハラなのか?」という共通の基準を持つことが予防の第一歩です。
これは前回の記事、一般職向けの内容でもお伝えしました。
そして
パワハラの一番の予防策は、組織内のコミュニケーションを円滑にすることです。
コミュニケーションがうまくいっている組織は、
パワハラが起こりにくいと言われています。
したがって、管理職研修では、
前半に予防の第一歩であるパワハラの基本的な知識を身に付けてもらうこと。
そして後半は、一番の予防策であるコミュニケーションの取り方。
特に部下とのコミュニケーションの取り方について学んで頂きました。
なぜパワハラの基本的な知識を身に付けることが必要か
管理職にパワハラの基本的な知識が身についていないと、
知らない間に加害者になってしまったり、組織でパワハラが起きていても見過ごしてしまうことがあります。
パワハラと認定された場合、被害者に与える影響は大きいですが、
加害者や組織に与える影響も大きいです。
研修では、下記のような内容をお伝えしております。
<研修内容>
・パワハラが与える被害者、加害者、組織への影響について
・パワハラの加害者責任
他の労務問題と比較して、パワハラは被害者が命を絶ってしまうケースが多いです。
そのようなことは組織として絶対避けなければなりません。
・パワハラとはどのようなものか
パワハラの定義のなかでも特にわかりにくい
「優越的な関係」とは具体的にはどのような関係性か?
「業務上必要かつ相当な範囲」とはどこまでの範囲か?
国が提示するパワハラの6類型や
職場における「パワハラに該当すると考えられる例」、「該当しないと考えられない例」を交えながら解説しました。
また管理職は部下を教育したり、指導する立場にあります。
指導とパワハラの線引きの判断が一番難しいところですが、視覚的にイメージしてもらうのが、一番わかりやすいと思います。
研修では動画を活用して、指導とパワハラの線引きを理解してもらいます。
・動画「行き過ぎた指導」
視覚的な情報は、より理解を深めることができるので、
パワハラに該当する動画を視聴してもらいます。
動画の内容は、上司から部下に対しての「行き過ぎた指導」です。
動画視聴後、
「動画と同じケースで自分が上司だったらどう指導するか」というテーマで
グループワークを行ってもらい発表。
指導方法を共有します。
その後、パワハラに該当しない「指導」の動画を見てもらい、
模範解答を確認してもらいました。
このように、
どのような言動がパワハラに該当するのかを理解してもらうのと同時に
自分たちであれば、どのように指導をするのかを考えてもらうことが大事です。
部下とのコミュニケーションの取り方
後半は部下とのコミュニケーションの取り方についてお話しさせて頂きました。
一般職向けには報連相を中心としたコミュニケーションの取り方について学んでももらいましたが、
管理職は指導の仕方を中心としたコミュニケーションの取り方について学んでもらいます。
管理職も同様、パワハラの基本的な知識を身に付けたからといって、パワハラがなくなるわけではありません。
なぜ上司のパワハラが起きてしまうのか?
例えば、
・「しごく」ことで人が動くと誤解している
・感情がヒートアップしてしまう
・コントロールがきかない否定的な感情を持ってしまう
このようなケースからパワハラに発展してしまうことが考えられます。
いずれもコミュニケーションやマネジメントの問題ですね。
この問題を解決しなければ、パワハラはなくなりません。
したがって、
パワハラにならない教え方・指導方法・考え方
また部下へのアプローチ方法について解説しました。
<研修内容>
・昔と今の指導方法について
・現代の働き方に合わせた部下へのアプローチ方法
昔と今の働き方が変わってきているなか、昔のように指示命令型の指導方法ではなかなかうまくいきません。
現代の働き方に合わせたアプローチ方法、コミュニケーションの取り方について学んでいただきました。
・心の持ち方
また普段どのような心の持ち方で部下と接しているか?指導しているか?
目に見える行動は同じだとしても、心の持ち方は2通りあります。
「部下を人として見る心」なのか「部下をモノとして見る心」なのか
「モノとして見る心」で接していれば、
いつかパワハラの言動に繋がっていくでしょう。
逆に「人として見る心」で接していれば、多少厳しく指導しても、
相手にはきちんと伝わります。
大事なのは、「部下との信頼関係が築けているか」ということです。
・動画「厳しい指導でもパワハラに該当しない例」
日頃から信頼関係ができている上司と部下の間で行われた少し厳しい指導を視聴。
・価値観の違いを認めるコミュニケーション方法
最後に
部下に対しての「心も持ち方」について、振り返ってもらいました。
終わりに
パワハラを行為だけで区切るのは無意味です。
「国が提示する6類型に該当しないから大丈夫」ではなく、
日頃からのコミュニケーションの取り方に問題があれば、それが火種となりパワハラに発展する可能性は高くなります。
社内でパワハラ研修を行う際は、
基本的な内容の説明で終わるだけでなく、
コミュニケーションの取り方を含めた内容で
実施することをおススメします。