出生時育児休業(産後パパ育休)なのか?育児休業なのか?

2026/01/28 コラム

出生時育児休業(産後パパ育休)なのか?育児休業なのか?

 

今回は出生日から2か月休む場合の正しい考え方と実務上のポイントについて確認してみたいと思います。

 

ある日、顧問先の担当者様からこんな相談がありました。

 

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男性社員から
「出生日から2か月間、育児休業を取得したい」
という申出がありました。

 

この場合、

最初の28日間は出生時育児休業(産後パパ育休)

29日目以降を育児休業

と分けるのが正しいのか。
 

それとも、

出生日の初日から一貫して育児休業として取得するのが正しいのか。

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実務では、会社側・本人側ともに迷いやすいポイントです。

この記事では、
どちらが正しいのか/どう違うのか/それぞれのメリット・デメリットを整理します。

 


 

結論から:どちらも「法律上は正しい」

 

まず前提として、

どちらか一方しか認められない、ということはありません。

 

  • 出生時育児休業を使ってから育児休業に切り替える

  • 出生日から最初から育児休業として取得する

 

いずれも法律上「正しい取り方」です。

 

違いは
どの制度をどう組み合わせるかという「選択」の問題
になります。

 


 

1.制度の大枠を整理する

 

《出生時育児休業のポイント》

・子の出生後8週間以内に、最大28日(4週間)まで取得可能

2回まで分割取得が可能

・申出期限:原則、開始希望日の2週間前まで
 ※労使協定があれば「2週間超~1か月以内」で別途定めることも可能

・労使協定があれば、事前に合意した範囲で休業中の就労が可能

・主な対象は男性(※養子の場合などは女性も可)

 

《育児休業のポイント》

・原則:子が1歳に達するまで(最長2歳まで延長可)

・申出期限:原則、開始希望日の1か月前まで

2回まで分割取得が可能

・出生後8週間以内の期間についても、「育児休業」として取得することが可能

 

 


 

2.よくある2つの取得パターン

 

<パターンA>

出生時育児休業28日 → その後、育児休業に切り替える

例:

・出生日:4月1日

・4月1日~4月28日:出生時育児休業(産後パパ育休)

・4月29日~5月31日:育児休業

 

<パターンB>

出生日の初日から一貫して育児休業として取得

例:

・出生日:4月1日

・4月1日~5月31日:育児休業

・出生時育児休業は取得しない

 

どちらを選ぶかは、必ず本人の希望に基づいて決める必要があります。
会社が一律にどちらかしか認めない運用はできません。

 


 

3.それぞれのメリット・デメリット

 

<パターンA>

産後パパ育休 → 育児休業

メリット

・労使協定+本人同意があれば、
 産後パパ育休中に計画的な就業(所定の半分以内)が可能

・2回まで分割できるため、
 「出生直後+里帰り後」など柔軟な設計がしやすい

・その後の育児休業も2回まで取得でき、
 合計最大4回の分割取得が可能

 

デメリット

・出生時育児休業と育児休業で
 制度運用・手続きが「出生時育児休業」と「育児休業」で分かれるため、
 
手続き・管理がやや複雑になる

出生時育児休業中に就業する場合、
 就業可能日・就業予定日の事前調整など、事務対応が増える

 

 


 

<パターンB>

育児休業のみ

メリット

・制度が一本化され、
 社内フロー・給付金申請がシンプル

・そのまま育児休業を延長しやすい

 

デメリット

・原則として育児休業中は就業不可であり、
 「一時的・臨時的」な就労のみ例外的に許容されるため、
 予定的・定期的な出社を組み込むことは想定されていない

 

・出生時育児休業を使わないため、
 「産後直後の期間に柔軟に休んだり、出社日をあらかじめ組み込む」という
 本来の趣旨を活かしにくい

 

・「産後パパ育休を2回に分けて使う」等の選択肢はなくなる

 

なお、
育児休業給付金・出生時育児休業給付金の給付率は共通で、
産後パパ育休で休んだ日数も、180日の67%期間に通算されます。

 


 

4.会社として押さえておく実務ポイント

 

① 本人に制度の違いを説明すること

・産後8週間以内に取る休業であっても、会社が一方的に「これは産後パパ育休」と決めることはできません。

 

② 労使協定の有無を確認

・出生時育児休業中の就業を認めるかどうか

・育児休業・出生時育児休業の適用除外者を定める協定の有無
 

これにより、

「そもそも産後パパ育休中に就業を認められるか」

「申出期限を2週間超〜1か月とできるか

等の実務が変わります。

 

③ 2か月以降の育児休業予定も確認

・この2か月で終わるのか、その後も数か月〜1歳まで育児休業を継続するのか

・配偶者(母側)の育児休業との調整、パパ・ママ育休プラスの利用予定があるか
 

これによって、「産後パパ育休+育児休業を4回まで分割して使う」等、より適した組み合わせが変わります。

 

 


 

5.まとめ(結論)

 

どちらの取り扱いも法律上は正しい

・出生時育児休業28日+育児休業

・出生日から育児休業のみ

 

重要なのは、
本人の希望に基づいて選択させること

 

実務上の整理としては、

・柔軟な働き方・分割取得を重視 → 産後パパ育休+育児休業

・完全に仕事から離れたい・シンプル運用 → 育児休業のみ

という考え方になります。